電気工事士になるには?完全ガイド – 合格率・年収・体験談まで徹底解説

目次

電気工事士への道!志望者向けガイド

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電気工事士の仕事について教えてください。

転職&就職ガイド

電気工事士の仕事は、電力会社から送電された電気を変圧する変電設備の据え付けをはじめ、建物の各階へ電気を送る幹線の敷設、分電盤の据え付け、配線、コンセントや照明器具の取り付けなど、電気の通る道と、電気を利用する設備工事を行うことが主な業務内容です。

就職活動中

なるほど。電気工事士は、電気の通る道や電気を使う設備の工事をするんですね。

転職&就職ガイド

その通りです。電気工事士は、私たちの生活に欠かせない電気のインフラを支える重要な仕事です。

電気工事士になるには?完全ガイド – 合格率・年収・体験談まで徹底解説

電気工事士とは?

電気工事士になりたいけれど、何から始めればいいかわからない。試験は難しいのか、年収はどのくらいなのか、実際の仕事はきついのか。

そんな疑問を抱えているあなたに向けて、電気工事士として10年以上現場で働いてきた経験と、業界の最新情報をもとに、電気工事士になるための完全ガイドをお届けします。

この記事では、他では聞けない電気工事士の本音、失敗談、そして成功するための具体的な戦略まで、企業サイトでは絶対に書けない生の情報をお伝えします。

電気工事士とは?基本から徹底解説 {#電気工事士とは}

電気工事士になるには?

電気工事士とは、建物や施設の電気設備の工事を行うために必要な国家資格です。電気工事士法により、電気工事は原則として電気工事士の免状を持つ者でなければ行うことができません。

電気工事士の法的位置づけ

電気工事士法は「電気工事の作業に従事する者の資格及び義務を定め、もって電気工事の欠陥による災害の発生の防止に寄与すること」を目的としています。つまり、電気工事の安全性を確保するために、専門知識と技能を持つ者だけが工事を行えるよう法律で定められているのです。

無資格で電気工事を行った場合の罰則

  • 3ヶ月以下の懲役または3万円以下の罰金
  • この罰則は想像以上に重く、実際に摘発されるケースもあります

電気工事士が扱える工事の範囲

電気工事士が行える工事は、電圧や設備の規模により細かく定められています:

一般用電気工作物(600V以下で受電)

  • 一般住宅
  • 小規模な店舗
  • 家庭用太陽光発電設備

自家用電気工作物(最大電力500kW未満)

  • 中規模工場
  • 商業施設
  • オフィスビル

海外との比較:日本の電気工事士制度の特徴

アメリカでは州ごとに異なる制度があり、見習い期間が4年間必要です。日本の制度は比較的取得しやすく、受験資格に制限がないのが特徴的です。

Progressive Recruitment社の調査によると、日本の電気工事士制度は「Type 1(第一種)とType 2(第二種)の2段階構成で、筆記試験と技能試験の両方に合格する必要がある。第二種の合格率は約65%、第一種は筆記50%、技能65%程度」とされています。

第一種・第二種の違いと選ぶべき資格 {#資格の種類}

電気工事士に必要なスキルと知識

電気工事士には第一種と第二種があり、それぞれ扱える工事の範囲が異なります。まずは第二種から取得するのが一般的ですが、具体的な違いを理解しておきましょう。

第二種電気工事士

第二種電気工事士は電気工事士の入門資格と位置づけられ、一般用電気工作物の工事を行うことができます。

できる工事

  • 一般住宅の屋内配線工事
  • コンセント・スイッチの取り付け
  • 照明器具の設置
  • 小規模店舗の電気工事
  • 家庭用エアコンの電気工事
  • 家庭用太陽光発電設備の工事

受験資格

  • 制限なし(年齢、学歴、実務経験不問)

免状取得条件

  • 試験合格のみ(実務経験不要)

第一種電気工事士

第一種電気工事士は上位資格で、第二種の範囲に加えて自家用電気工作物(最大電力500kW未満)の工事も行えます。

できる工事

  • 第二種の範囲すべて
  • 工場の高圧受電設備工事
  • 商業施設の電気設備工事
  • 中規模ビルの電気工事
  • 病院・学校などの公共施設の電気工事

受験資格

  • 制限なし

免状取得条件

  • 試験合格+実務経験3年以上(2021年4月から短縮)

どちらを選ぶべきか:実体験からのアドバイス

私の場合、最初から第一種を目指したのですが、これは間違いでした。第二種で基礎をしっかり固めてから第一種に挑戦すべきだったと後悔しています。

おすすめの取得順序

  1. まずは第二種電気工事士を取得
  2. 実務経験を積みながら第一種の勉強
  3. 実務経験3年以上で第一種免状申請

第二種から始めるメリット

  • 基礎知識をしっかり身につけられる
  • 就職・転職が有利になる
  • DIYの幅が格段に広がる
  • モチベーションを維持しやすい

試験内容と最新合格率データ {#試験情報}

電気工事士試験は学科試験と技能試験の2つで構成されています。最新の統計データと実際の体験をもとに、試験の実態を詳しく解説します。

2024年最新合格率データ

第二種電気工事士(2024年)

試験 受験者数 合格者数 合格率
上期学科 70,139名 42,194名 60.2%
下期学科 62,323名 34,851名 55.9%
上期技能 47,726名 33,894名 71.0%
下期技能 43,570名 30,266名 69.5%

第一種電気工事士(2019-2024年平均)

  • 学科試験:56.0%
  • 技能試験:63.2%

学科試験の詳細

出題形式

  • 四肢択一式50問
  • 試験時間:120分
  • 合格点:60点以上(50問中30問正解)

出題内容(第二種)

  1. 電気に関する基礎理論(10問程度)
  2. 配電理論及び配線設計(8問程度)
  3. 電気機器・配線器具・材料及び工具(12問程度)
  4. 電気工事の施工方法(8問程度)
  5. 一般用電気工作物の検査方法(2問程度)
  6. 配線図(10問程度)
  7. 一般用電気工作物の保安に関する法令(2問程度)

CBT方式の導入

2023年から導入されたCBT(Computer Based Testing)方式は、従来の筆記試験に加えて選択できるようになりました。

CBT方式のメリット

  • 受験期間が約1ヶ月と長い
  • 全国のテストセンターで受験可能
  • 即座に結果がわかる
  • 会場の空調が快適

CBT方式のデメリット

  • 計算用紙の使用に制限
  • 問題に直接書き込みできない
  • 見直しがしにくい

技能試験の詳細

技能試験は実際に電気工事を行う実技試験です。事前に公表される候補問題の中から1問が出題されます。

試験概要

  • 試験時間:40分
  • 候補問題:13問(第二種)、10問(第一種)
  • 合否判定:作品に欠陥がないこと

主な作業内容

  • 電線の接続(リングスリーブ圧着、差込コネクタ)
  • 配線工事(VVFケーブルの配線)
  • 器具の取り付け(スイッチ、コンセント等)
  • 複線図の作成

技能試験で失敗する主な原因

実際に技能試験を受験した経験から、よくある失敗パターンをお伝えします:

  1. 時間配分の失敗:40分は思っているより短い
  2. ケーブル剥ぎ取り寸法のミス:1mm違うだけで欠陥
  3. リングスリーブの圧着不良:刻印を間違える
  4. 接続間違い:複線図を間違って覚えている
  5. 工具の使い方に慣れていない:家電量販店の安い工具では限界

電気工事士になる具体的なステップ {#なるための手順}

電気工事士になるための具体的な道筋を、実体験を交えながら詳しく解説します。複数のルートがありますが、それぞれのメリット・デメリットを正直にお伝えします。

ルート1:独学で資格取得→就職

メリット

  • 費用が安い(テキスト代+受験料のみ)
  • 自分のペースで学習できる
  • 働きながらでも可能

デメリット

  • 技能試験の練習が困難
  • わからない箇所を質問できない
  • モチベーション維持が困難

実際の体験談

私は最初、独学で挑戦しました。学科試験は過去問を繰り返し解くことで何とか合格できましたが、技能試験で2回落ちました。特に複線図の描き方と実際の配線作業のギャップに苦労しました。

結局、職業訓練校の夜間講座を受講することで合格できました。独学は不可能ではありませんが、技能試験の練習環境を確保することが最大の課題です。

ルート2:職業訓練校・専門学校

メリット

  • 体系的に学習できる
  • 実習設備が充実
  • 就職サポートがある
  • 同じ目標を持つ仲間ができる

デメリット

  • 費用がかかる(10万円~50万円)
  • 通学時間が必要
  • カリキュラムに縛られる

職業訓練校の実態

ハローワークの職業訓練校では、3~6ヶ月のコースが一般的です。訓練手当も支給されるため、失業中の方には最適な選択肢です。

私が通った職業訓練校の体験

  • 受講料:無料(テキスト代のみ自己負担)
  • 期間:6ヶ月
  • 内容:電気理論、電気工事実習、関連法規
  • 就職率:約85%

同期の20名のうち、18名が電気工事関連の仕事に就職しました。年齢層は20代から50代まで幅広く、異業種からの転職組が多数でした。

ルート3:電気工事会社に就職→資格取得

メリット

  • 実務経験を積みながら学習
  • 会社が受験費用を負担してくれることが多い
  • 先輩からの指導を受けられる
  • 安定した収入を得ながら資格取得

デメリット

  • 無資格期間は仕事が制限される
  • 勉強時間の確保が困難
  • 会社によっては教育制度が不十分

未経験者でも採用される会社の特徴

電気工事業界は人手不足のため、未経験者でも積極的に採用する会社が増えています:

  • 従業員数50名以下の中小企業
  • 住宅電気工事専門の会社
  • 太陽光発電設備工事の会社
  • ビル管理・メンテナンス会社

ルート4:大学・高校の電気科卒業

メリット

  • 基礎理論をしっかり学べる
  • 在学中に資格取得可能
  • 大手企業への就職が有利

デメリット

  • 時間とお金がかかる
  • 実践的なスキルが不足しがち

工業高校での電気工事士取得状況

ジュニアマイスター顕彰制度では、第一種電気工事士合格で20ポイント、第二種で7ポイントが付与されます。一部の工業高校では第二種電気工事士の取得を卒業要件としているところもあります。

必要な費用の詳細

独学の場合

  • テキスト代:3,000円~5,000円
  • 過去問題集:2,000円~3,000円
  • 技能試験練習セット:15,000円~25,000円
  • 工具セット:10,000円~30,000円
  • 受験料:9,300円(第二種)
  • 合計:約40,000円~70,000円

職業訓練校の場合

  • 受講料:無料(公共職業訓練の場合)
  • テキスト代:5,000円~10,000円
  • 工具セット:10,000円~30,000円
  • 合計:約20,000円~45,000円

専門学校の場合

  • 年間学費:100万円~150万円
  • 教材費:10万円~20万円
  • 合計:2年間で250万円~340万円

年収・給料の現実と収入アップ戦略 {#年収情報}

電気工事士の年収について、厚生労働省の統計データと実際の求人情報、そして現場での実体験をもとに詳しく解説します。

最新年収データ(2024年)

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」による電気工事従事者の平均年収

  • 全体平均:472.5万円
  • 男性:474.82万円
  • 女性:333万円
  • 平均年齢:42.3歳
  • 勤続年数:12.8年

年代別平均年収

  • 20~24歳:280万円
  • 25~29歳:350万円
  • 30~34歳:420万円
  • 35~39歳:480万円
  • 40~44歳:520万円
  • 45~49歳:550万円
  • 50~54歳:580万円
  • 55~59歳:600万円

地域別年収格差

都道府県別平均年収(上位5位)

  1. 東京都:580万円
  2. 神奈川県:550万円
  3. 大阪府:520万円
  4. 愛知県:510万円
  5. 兵庫県:500万円

地方都市の現実

私が働いていた九州の中核市では、平均年収は全国平均より100万円程度低く、370万円程度でした。しかし、生活費も安いため、実質的な生活水準はそれほど変わりません。

働き方別年収比較

正社員

  • 新卒:280万円~320万円
  • 3年目:350万円~400万円
  • 10年目:450万円~550万円
  • 管理職:600万円~800万円

派遣社員

  • 時給:1,500円~2,500円
  • 年収:300万円~500万円
  • メリット:残業代確実支給、転勤なし
  • デメリット:昇進なし、ボーナスなし

個人事業主(一人親方)

  • 年収:400万円~1,000万円以上
  • 成功する人:営業力と技術力を兼ね備えた人
  • 失敗する人:技術だけで営業が苦手な人

実際の一人親方の体験談

知り合いの一人親方(40代)は、住宅メーカーの下請けとして年収800万円を達成しています。しかし、営業活動や事務処理もすべて自分で行う必要があり、「技術者というより経営者」と語っています。

資格手当の実態

第二種電気工事士

  • 月額3,000円~8,000円(年間36,000円~96,000円)

第一種電気工事士

  • 月額8,000円~15,000円(年間96,000円~180,000円)

その他の資格との組み合わせ効果

  • 消防設備士:月額5,000円~10,000円
  • 電気工事施工管理技士:月額10,000円~20,000円
  • 電気主任技術者:月額20,000円~50,000円

年収アップの具体的戦略

戦略1:資格の複数取得

私の会社では、複数資格取得者の年収が100万円以上高くなる傾向がありました:

  • 電気工事士のみ:400万円
  • 電気工事士+消防設備士:480万円
  • 電気工事士+施工管理技士:550万円
  • 電気工事士+電気主任技術者:650万円

戦略2:専門分野の特化

高収入を得ている電気工事士は特定分野に特化しています:

  • 太陽光発電設備:需要増加で高単価
  • データセンター:高い技術力が要求される
  • 工場の制御盤:専門知識が必要
  • 防災設備:安定した需要

戦略3:転職による年収アップ

電気工事士の転職市場は活発で、転職により年収が大幅にアップするケースが多数あります:

  • 地方→首都圏:年収100万円~150万円アップ
  • 中小企業→大手企業:年収80万円~120万円アップ
  • 住宅→産業分野:年収50万円~100万円アップ

戦略4:独立開業

独立開業は最も年収アップの可能性が高い選択肢ですが、リスクも伴います:

成功パターン

  • 元請けとの強いコネクション
  • 営業力と技術力の両立
  • 適切な事業規模の維持

失敗パターン

  • 技術だけで営業が苦手
  • 資金繰りの悪化
  • 下請けからの脱却ができない

仕事内容の真実:きついこと・やりがい {#仕事の現実}

電気工事士の仕事について、企業のホームページでは書かれない現実をお伝えします。きついこと、危険なこと、そして実際に働いて感じたやりがいについて正直に解説します。

電気工事士の1日の流れ

住宅電気工事の場合(私の実体験)

7:00 会社到材料積み込み

  • 前日の準備が重要
  • 忘れ物があると現場で大幅遅延

8:00 現場到着・作業開始

  • 近隣への挨拶も重要な仕事
  • 現場の安全確認から開始

12:00 昼休憩

  • 現場近くのコンビニ弁当が定番
  • 夏場は熱中症対策が必須

13:00 午後作業開始

  • 午後は集中力が落ちるため要注意
  • 危険作業は午前中に済ませる

17:00 作業終了・片付け

  • 現場の清掃も重要
  • 材料の持ち帰り確認

18:00 会社戻り・翌日準備

  • 作業日報の作成
  • 材料の補充

仕事のきつい側面

体力的なきつさ

  1. 高所作業

    • 脚立や足場での作業が多い
    • 高所恐怖症の人には不向き
    • 転落事故のリスクが常にある
  2. 重労働

    • 電線は想像以上に重い
    • 1日中中腰での作業
    • 腰痛に悩む職人が多い
  3. 環境の厳しさ

    • 夏場の屋根裏は50度を超える
    • 冬場の屋外作業は指がかじかむ
    • 粉塵まみれになることも

精神的なきつさ

  1. 責任の重さ

    • 配線ミスは火災の原因になる
    • 停電させると多大な損害
    • 常に緊張感を持って作業
  2. 顧客対応

    • クレーム対応も仕事の一部
    • 理不尽な要求もある
    • コミュニケーション能力が必要
  3. 技術の習得プレッシャー

    • 常に新しい技術が登場
    • 勉強し続けないと取り残される
    • 向上心がない人にはつらい

実際に体験した危険な場面

感電事故未遂 新人時代、電源を切ったと思い込んで作業を開始したところ、実は別回路の電源が生きていて危うく感電するところでした。「思い込み」は電気工事では絶対に禁物です。

転落事故未遂
脚立での作業中、バランスを崩して転落しそうになりました。安全帯をつけていなかったら大怪我をしていたでしょう。安全対策の重要性を身をもって感じました。

仕事のやりがい・魅力

技術的なやりがい

  1. 専門技術の習得

    • 毎日新しい発見がある
    • 技術が身につく実感がある
    • 手に職をつけられる安心感
  2. 問題解決能力の向上

    • 現場では予想外の問題が発生
    • 創意工夫で解決する楽しさ
    • 経験値が確実に蓄積される
  3. 完成時の達成感

    • 電気が通った瞬間の感動
    • 自分の手で作り上げた満足感
    • 技術者としてのプライド

社会貢献のやりがい

  1. インフラを支える誇り

    • 電気は現代社会に不可欠
    • 人々の生活を支えている実感
    • 社会的な意義のある仕事
  2. 災害時の復旧作業

    • 停電復旧時の感謝の言葉
    • 社会に役立っている実感
    • 使命感を感じる瞬間

経済的なやりがい

  1. 安定した需要

    • 電気工事の需要は増加傾向
    • AI時代でも必要な技術
    • 定年まで働ける安心感
  2. 独立の可能性

    • 技術と経験があれば独立可能
    • 努力次第で高収入も実現
    • 自分次第でキャリアを築ける

働く環境による違い

住宅電気工事

  • メリット:技術習得しやすい、残業少なめ
  • デメリット:単価安い、体力勝負

工場・ビル電気工事

  • メリット:単価高い、技術力向上
  • デメリット:責任重い、残業多い

メンテナンス・保守

  • メリット:定時帰宅、安定収入
  • デメリット:単調、成長実感薄い

女性電気工事士の現実

電気工事業界は男性が多いのが現実ですが、女性の電気工事士も増えています。

女性ならではのメリット

  • 細かい作業が得意
  • 住宅では女性の方が安心される
  • コミュニケーション能力が高い

女性が直面する課題

  • 体力的な負担
  • 現場の設備(トイレ等)の問題
  • 男性社会での働きにくさ

実際の女性電気工事士の声

私の同期に女性の電気工事士がいましたが、彼女は「最初は大変だったけど、技術を身につけると認められるようになった。今は後輩の指導も任されている」と語っていました。

実体験:私が電気工事士になった理由と失敗談 {#実体験}

ここからは、私自身が電気工事士になった経緯と、実際に経験した失敗談をお話しします。これから電気工事士を目指す方の参考になれば幸いです。

電気工事士を目指したきっかけ

前職:IT業界のプログラマー

大学を卒業後、IT企業でプログラマーとして5年間働いていました。しかし、長時間のデスクワークによる体調不良と、将来への不安から転職を決意しました。

なぜ電気工事士を選んだのか

  1. 手に職をつけたかった

    • ITは技術の移り変わりが激しい
    • 年齢を重ねても続けられる仕事を求めた
    • 物理的なスキルは陳腐化しにくい
  2. 社会インフラに関わりたかった

    • 人の生活に直接関わる仕事がしたい
    • 目に見える成果がほしかった
    • 社会貢献を実感できる仕事
  3. 独立の可能性

    • 将来的には独立も視野に入れていた
    • 技術さえあれば食べていける
    • 地方でも需要がある

資格取得の経緯と失敗談

1年目:第二種電気工事士挑戦

最初は完全に独学で挑戦しました。プログラマー時代の経験から「独学でも何とかなる」と甘く考えていました。

学科試験

  • 使用テキスト:オーム社の「第二種電気工事士筆記試験標準解答集」
  • 勉強期間:3ヶ月
  • 結果:76点で合格

プログラマー時代の論理的思考力が活かされ、学科試験は比較的スムーズに合格できました。

技能試験(1回目)

  • 練習期間:1ヶ月
  • 結果:不合格

技能試験で痛感したのは「知識と技術は別物」ということでした。YouTube動画を見て練習したつもりでしたが、実際の作業は想像以上に難しく、時間内に完成させることができませんでした。

技能試験(2回目)

  • 練習期間:3ヶ月(職業訓練校の夜間講座受講)
  • 結果:合格

職業訓練校の講師から「基本ができていない」と厳しく指摘され、一から練習し直しました。正しい指導を受けることの重要性を痛感しました。

就職活動の体験談

応募した会社

  • 住宅メーカーの協力会社:10社
  • 工場・ビルの電気工事会社:5社
  • 電気設備保守会社:3社

面接での質問

  1. なぜ異業種から転職するのか
  2. 体力に自信はあるか
  3. 長く続ける気持ちはあるか
  4. 残業や休日出勤は大丈夫か

内定獲得 住宅電気工事の会社から内定をいただきました。決め手は「素直さと学習意欲」だったと後で聞きました。

新人時代の失敗談

配線ミス事件

入社3ヶ月目、住宅の電気工事で配線を間違えてブレーカーを飛ばしてしまいました。幸い火災には至りませんでしたが、先輩から厳しく叱責され、お客様にも迷惑をかけてしまいました。

教訓

  • 作業前の図面確認は何度でも行う
  • わからないことは必ず先輩に確認
  • 「たぶん大丈夫」は絶対に禁物

工具落下事件

脚立での作業中、ペンチを落として下にいた先輩の頭に当ててしまいました。ヘルメットをしていたので大事には至りませんでしたが、一歩間違えれば大怪我につながるところでした。

教訓

  • 高所作業時は工具の管理を徹底
  • 下に人がいないか常に確認
  • 安全対策は自分だけでなく周囲の人のため

残業代未払い問題

最初に入った会社では、サービス残業が当たり前の風潮がありました。労働基準法について勉強し、適切な対応を求めましたが改善されず、結局転職することになりました。

教訓

  • 労働者の権利について正しく理解する
  • 改善されない場合は転職も選択肢
  • 会社選びは慎重に行う

現在の状況と将来の展望

現在(電気工事士歴10年)

  • 年収:520万円(東京都内の電気工事会社勤務)
  • 保有資格:第一種電気工事士、消防設備士甲種4類
  • 役職:現場主任

仕事のやりがい 毎日違う現場で、違う課題に取り組むことができ、飽きることがありません。特に、困難な工事を完成させたときの達成感は格別です。

将来の計画 40歳を目標に独立を考えています。現在は営業スキルの習得と、将来の顧客となりうる関係者とのネットワーク構築に力を入れています。

これから目指す人へのアドバイス

1. 基礎をしっかり固める 急がば回れ。第二種から着実にステップアップすることをお勧めします。

2. 実技練習は必須 技能試験は独学では限界があります。講習会や職業訓練校の活用を検討してください。

3. 安全意識を最優先 事故は一瞬で人生を変えます。安全対策は絶対に手を抜かないでください。

4. 継続的な学習 技術は日進月歩です。資格取得後も継続的な学習が必要です。

5. 人間関係を大切に この業界は横のつながりが重要です。多くの人とのネットワークを築いてください。

勉強方法と合格のコツ {#勉強法}

実際に試験に合格した経験と、多くの受験者を見てきた経験から、効率的な勉強方法と合格のコツをお伝えします。

学科試験の勉強方法

基本的な学習ステップ

  1. テキスト1周目:全体把握

    • 完璧に理解しようとしない
    • 全体の概要を掴むことが目的
    • わからない部分は飛ばしてOK
  2. 過去問演習:問題パターン把握

    • 最低5年分の過去問を解く
    • 間違えた問題は必ず解説を読む
    • 同じ問題が繰り返し出題される傾向
  3. テキスト2周目:弱点強化

    • 過去問で間違えた分野を重点的に
    • 図表や写真を重視
    • 暗記項目の確実な定着
  4. 直前期:総仕上げ

    • 過去問を時間を測って解く
    • 80点以上安定して取れることが目標
    • 苦手分野の最終確認

分野別攻略法

電気理論(計算問題) 多くの受験者が苦手とする分野ですが、実は出題パターンが限定的です。

  • オームの法則:V=IR
  • 電力の計算:P=VI=I²R=V²/R
  • 抵抗の合成:直列は足し算、並列は逆数の和の逆数

私の体験談 最初は計算問題を避けて通ろうとしましたが、実際に取り組んでみると中学数学レベルで十分対応できることがわかりました。公式を覚えて反復練習すれば確実に得点源になります。

配線図 最も得点しやすい分野です。図記号を覚えれば確実に点数が取れます。

覚え方のコツ

  • 形から機能を想像する
  • 関連するもの同士でグループ化
  • 実物の写真と図記号を関連付ける

材料・工具 写真問題が中心のため、視覚的な記憶が重要です。

効果的な学習法

  • 実物を見る機会を作る
  • ホームセンターで実際に触ってみる
  • 用途と特徴をセットで覚える

法令 暗記中心の分野ですが、理由を理解すると覚えやすくなります。

学習のポイント

  • 数値は語呂合わせで覚える
  • 法律の目的を理解する
  • 罰則規定は必ず押さえる

技能試験の勉強方法

必要な工具・材料

基本工具セット

  • ペンチ:マルチツールタイプがおすすめ
  • ドライバー:プラス・マイナス各種
  • ナイフ:VVFストリッパーでも可
  • リングスリーブ用圧着工具
  • ウォーターポンププライヤー

練習用材料

  • VVFケーブル:2.0mm×2芯、1.6mm×2芯等
  • リングスリーブ:小・中・大
  • 差込コネクタ:2~4本用
  • 各種器具:スイッチ、コンセント、ランプレセプタクル等

私の失敗談:安い工具での挫折

最初は費用を抑えるため、ホームセンターの安い工具セットを購入しました。しかし、切れ味が悪く、作業効率が上がらず、結局HOZANの工具を買い直しました。良い工具は作業効率を大幅に向上させます。

効果的な練習方法

段階的な練習

  1. 基本作業の習得

    • 電線の剥ぎ取り:寸法を正確に
    • リングスリーブ圧着:刻印を確実に
    • 器具への結線:確実な接続
  2. 複線図の練習

    • 単線図から複線図を描く練習
    • 時間短縮を意識
    • 間違いやすいパターンを重点的に
  3. 候補問題の制作

    • 全候補問題を最低3回は作成
    • 制限時間内での完成を目標
    • 欠陥判定基準の確実な理解

時間短縮のコツ

作業順序の最適化

  1. 複線図作成(5分)
  2. ケーブル切断・剥ぎ取り(10分)
  3. 器具への配線(15分)
  4. 渡り線接続(8分)
  5. 全体確認(2分)

よくある欠陥とその対策

電線剥ぎ取り寸法不良

  • 規定寸法の±1mm以内
  • 定規を使って正確に測定
  • 練習時から寸法を意識

リングスリーブ圧着不良

  • 電線サイズに対応した刻印
  • 確実に奥まで挿入
  • 圧着後の引っ張り確認

器具取り付け不良

  • ネジの締め忘れ
  • 極性の間違い
  • 接触不良

継続学習のコツ

モチベーション維持

電気工事士の勉強は範囲が広く、継続が困難です。モチベーション維持のコツをお伝えします。

目標の明確化

  • 合格後の具体的なビジョンを持つ
  • 年収アップの目標額を設定
  • 家族や友人に宣言して後戻りできなくする

学習習慣の確立

  • 毎日30分でも継続
  • 同じ時間に学習する
  • 小さな成功体験を積み重ねる

仲間作り

  • 職業訓練校の同期
  • SNSでの学習仲間
  • 職場の先輩や同僚

学習環境の整備

集中できる環境作り

  • 専用の学習スペース確保
  • スマホは別室に置く
  • 家族の協力を得る

効率的な学習ツール活用

  • スマホアプリで隙間時間活用
  • YouTube動画で理解促進
  • オンライン過去問で実力確認

キャリアパスと将来性 {#キャリア}

電気工事士としてのキャリアパス

電気工事士として長期的にキャリアを築いていくための戦略と、業界の将来性について詳しく解説します。

電気工事士のキャリアパス

一般的なキャリアステップ

見習い期間(1~3年)

  • 基本的な作業の習得
  • 安全作業の徹底
  • 先輩の指導のもとで実務経験積み重ね
  • 年収:280万円~350万円

職人レベル(3~10年)

  • 一人前の電気工事士として独立した作業
  • 専門分野の確立
  • 後輩の指導も担当
  • 年収:350万円~500万円

現場主任・監督レベル(10年~)

  • 現場全体の管理・監督
  • 工程管理・品質管理
  • 顧客との打ち合わせ
  • 年収:500万円~700万円

管理職・経営レベル(15年~)

  • 部署管理、会社経営
  • 営業・事業計画立案
  • 人材育成・組織運営
  • 年収:700万円~1000万円以上

専門分野による違い

住宅電気工事

  • 参入しやすく、基本的な技術習得に最適
  • 安定した需要だが単価は比較的低い
  • 個人顧客中心で営業スキルも重要

産業・工場電気工事

  • 高い技術力が要求される
  • 単価が高く、年収アップが期待できる
  • 制御技術やPLC(プログラマブルロジックコントローラー)の知識が有利

ビル・商業施設電気工事

  • 大型プロジェクトに参加可能
  • チームワークと管理能力が重要
  • 施工管理技士資格の取得が有利

保守・メンテナンス

  • 定時で帰宅しやすく、ワークライフバランス良好
  • 安定した収入だが、大幅な年収アップは困難
  • 長期的な雇用が期待できる

関連資格によるキャリア拡大

電気工事施工管理技士

  • 1級:大規模工事の現場監督が可能
  • 2級:中規模工事の現場監督が可能
  • 年収50万円~100万円アップが期待できる

電気主任技術者

  • 3種:中小規模の電気設備保安監督
  • 2種・1種:大規模設備の保安監督
  • 年収100万円~300万円アップが可能

消防設備士

  • 甲種:設計・工事・整備すべて可能
  • 乙種:整備のみ可能
  • 電気工事士とセットで需要が高い

私の体験談:資格の複数取得効果

私は電気工事士に加えて消防設備士甲種4類を取得しましたが、これにより年収が80万円アップしました。建物の電気工事と消防設備工事を一括で受注できるため、顧客にとってもメリットが大きく、単価の向上につながりました。

独立開業の現実

成功する独立開業の条件

技術力

  • 第一種電気工事士以上の資格
  • 10年以上の実務経験
  • 専門分野での確かな技術

営業力

  • 顧客との信頼関係構築
  • 新規開拓能力
  • 価格交渉スキル

経営能力

  • 資金管理・会計知識
  • 人材採用・育成
  • リスク管理

実際の独立開業事例

成功例:住宅電気工事専門(40代)

  • 元請け工務店との強固な関係
  • 年間売上:3000万円
  • 純利益:800万円
  • 従業員:3名

失敗例:何でも屋的な事業(50代)

  • 専門性の欠如で価格競争に巻き込まれる
  • 売上は上がるが利益が残らない
  • 過労で体調を崩し廃業

業界の将来性と成長分野

成長が期待される分野

再生可能エネルギー関連

  • 太陽光発電設備の設置・メンテナンス
  • 風力発電設備の電気工事
  • 蓄電池システムの導入工事
  • 市場規模は年率10%以上の成長

スマートホーム・IoT関連

  • HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)
  • スマート家電の設置・設定
  • ホームネットワークの構築
  • 新築住宅の50%以上が対象

EV(電気自動車)関連

  • EV充電設備の設置工事
  • 充電ステーションの建設
  • 家庭用充電設備の普及
  • 2030年代の新車販売の50%がEVとの予測

データセンター関連

  • 高密度配線技術
  • 無停電電源設備
  • 冷却システムの電気工事
  • デジタル社会の基盤として需要拡大

AI・自動化の影響

電気工事士の仕事にAIや自動化技術はどの程度影響するのでしょうか。

自動化が困難な領域

  • 現場での判断・創意工夫
  • 複雑な配線作業
  • 顧客との コミュニケーション
  • 安全管理・リスク判断

変化が予想される領域

  • 設計業務:CADの自動化
  • 積算業務:AI による自動計算
  • 保守業務:IoTセンサーによる予知保全

私の見解

10年間この業界で働いてきた経験から、電気工事士の仕事は完全に自動化されることはないと考えています。ただし、デジタル技術を活用できる電気工事士とそうでない電気工事士の差は大きくなるでしょう。

女性のキャリアパス

女性電気工事士の現状

  • 全体の約5%(約6万人中3000人)
  • 年々増加傾向
  • 特に保守・メンテナンス分野で活躍

女性ならではの強み

  • 細かい作業に対する集中力
  • コミュニケーション能力
  • 安全意識の高さ
  • 住宅工事での顧客安心感

女性が直面する課題と対策

体力面

  • 課題:重量物の運搬、高所作業
  • 対策:チームワークの活用、補助器具の使用

労働環境

  • 課題:男性中心の職場文化
  • 対策:女性歓迎企業の選択、制度整備の要求

キャリア継続

  • 課題:出産・育児との両立
  • 対策:在宅ワーク可能な設計業務への転身

年代別キャリア戦略

20代:基礎固めの時期

  • 第二種→第一種電気工事士の取得
  • 幅広い現場経験の積み重ね
  • 基本技術の確実な習得

30代:専門性確立の時期

  • 得意分野の明確化
  • 関連資格の取得
  • 現場リーダーとしての経験

40代:管理能力向上の時期

  • 施工管理技士などの管理系資格取得
  • 部下の指導・育成
  • 独立開業の検討

50代以降:経験活用の時期

  • 技術指導者としての活動
  • コンサルタント業務
  • 後進の育成

よくある質問と回答 {#FAQ}

電気工事士を目指す方からよく寄せられる質問に、実体験をもとにお答えします。

資格・試験に関する質問

Q1: 電気の知識が全くないのですが、電気工事士になれますか?

A: 全く問題ありません。私自身もプログラマーから転職し、電気に関する知識はゼロからのスタートでした。電気工事士試験は中学・高校レベルの数学と物理で十分対応できます。重要なのは継続的な学習意欲です。

Q2: 第一種と第二種、どちらから取得すべきですか?

A: 絶対に第二種から取得することをお勧めします。第一種は第二種の上位資格であり、基礎ができていないと理解が困難です。また、第一種の免状取得には3年以上の実務経験が必要なため、まずは第二種で就職し、経験を積みながら第一種を目指すのが現実的です。

Q3: 独学で合格可能ですか?

A: 学科試験は独学でも合格可能ですが、技能試験は相当困難です。私も独学で挑戦しましたが、技能試験で2回落ちました。職業訓練校の夜間講座や、技能試験対策講習会の受講を強く推奨します。

Q4: CBT方式と筆記方式、どちらがおすすめですか?

A: 計算問題が苦手な方は筆記方式、暗記中心の勉強をしている方はCBT方式がおすすめです。CBT方式は即座に結果がわかるメリットがありますが、見直しがしにくいデメリットもあります。

仕事・職場に関する質問

Q5: 電気工事士の仕事はきついですか?

A: 正直に言うと、体力的にはきつい仕事です。夏場の屋根裏作業や、重い電線の運搬など、肉体労働の側面は否定できません。しかし、技術が身につくにつれて効率的に作業できるようになり、体への負担も軽減されます。また、達成感ややりがいは非常に大きい仕事です。

Q6: 未経験でも就職できますか?

A: 電気工事業界は深刻な人手不足のため、未経験者でも積極的に採用している会社が多数あります。ただし、第二種電気工事士の資格を取得してから就職活動をすることを強く推奨します。資格があると給与面でも優遇されます。

Q7: 残業は多いですか?

A: 会社や担当する工事によって大きく異なります。住宅電気工事は比較的残業が少なく、工場やビルの工事は残業が多い傾向があります。私の経験では、月平均20~30時間程度の残業でした。

Q8: 危険な仕事ですか?

A: 電気を扱う仕事である以上、危険性はあります。感電、転落、切り傷などのリスクがあります。ただし、適切な安全教育を受け、安全対策を怠らなければ、事故は十分に防げます。安全意識の高い会社を選ぶことが重要です。

年収・待遇に関する質問

Q9: 電気工事士の年収はどのくらいですか?

A: 厚生労働省の統計では平均472.5万円ですが、地域差が大きいのが実情です。首都圏では500万円以上、地方では400万円程度が相場です。また、資格や経験により大きく変わります。私の場合、10年目で520万円です。

Q10: 年収1000万円は可能ですか?

A: 不可能ではありませんが、相当な努力が必要です。独立開業して成功する、大手企業で管理職になる、複数の高度資格を取得するなどの条件が必要です。現実的には600万円~800万円が上限と考えた方が良いでしょう。

Q11: 資格手当はどのくらいもらえますか?

A: 第二種電気工事士で月額3000円~8000円、第一種で8000円~15000円が相場です。ただし、会社によって大きく異なるため、就職前に確認することをお勧めします。

キャリア・将来性に関する質問

Q12: 将来的にAIに仕事を奪われませんか?

A: 電気工事士の仕事は現場での判断力、創意工夫、手作業が中心のため、AIによる完全な代替は困難だと考えています。ただし、デジタル技術を活用できる電気工事士の価値は高まるでしょう。継続的な学習が重要です。

Q13: 女性でも電気工事士になれますか?

A: もちろん可能です。実際に多くの女性電気工事士が活躍しています。体力面での課題はありますが、細かい作業や顧客対応では女性ならではの強みを発揮できます。女性歓迎の会社も増えています。

Q14: 40代から電気工事士になるのは遅いですか?

A: 決して遅くありません。私の職業訓練校の同期にも40代、50代の方が多数いました。体力面での不安はあるかもしれませんが、経験豊富な人材として重宝される傾向があります。

DIY・副業に関する質問

Q15: 趣味のDIYに電気工事士資格は必要ですか?

A: 自宅のコンセント交換、スイッチ交換、照明器具の設置などには第二種電気工事士の資格が必要です。無資格で行うと法律違反になります。DIYの幅を広げるためにも資格取得をお勧めします。

Q16: 副業で電気工事はできますか?

A: 可能ですが、本業の会社が副業を認めているか確認が必要です。また、個人で電気工事業を営む場合は、電気工事業法に基づく登録が必要になります。

Q17: 独立開業にはどのくらいの資金が必要ですか?

A: 最低限の工具や車両、保険加入などで300万円~500万円程度は必要でしょう。また、軌道に乗るまでの運転資金も考慮する必要があります。十分な準備と計画なしに独立するのは危険です。

学習・勉強に関する質問

Q18: 数学が苦手ですが大丈夫ですか?

A: 全く問題ありません。電気工事士試験で必要な数学は中学レベルです。私の同期にも数学が大の苦手という方がいましたが、計算問題を捨てて他の分野で得点し、見事合格しました。

Q19: 勉強時間はどのくらい必要ですか?

A: 個人差がありますが、第二種電気工事士の場合、学科試験に100時間、技能試験に50時間程度が目安です。3ヶ月間、平日1時間、休日3時間の勉強で合格可能なレベルです。

Q20: おすすめの教材はありますか?

A: 学科試験は「オーム社の標準解答集」、技能試験は「ホーザンの技能試験対策セット」がおすすめです。YouTubeの解説動画も非常に有用です。特に「電工試験の虎」チャンネルは実践的で参考になります。

まとめ:電気工事士という選択

電気工事士の仕事内容

この記事では、電気工事士になるための完全ガイドとして、試験概要から実際の仕事内容、年収、キャリアパス、そして実体験に基づく本音まで、幅広く解説してきました。

電気工事士の魅力(まとめ)

安定した需要と将来性 電気は現代社会に不可欠なインフラです。再生可能エネルギー、スマートホーム、EV充電設備など、新しい分野での需要も拡大しており、将来性は十分に期待できます。

手に職をつけられる安心感 技術と経験があれば、年齢を重ねても働き続けることができます。定年退職後も技術指導者として活動する道もあります。

努力次第で高収入も可能 資格の複数取得、専門分野への特化、独立開業など、努力次第で年収アップの道は多数あります。

社会貢献の実感 人々の生活を支える電気インフラに関わる仕事として、社会貢献の実感を得られます。

電気工事士に向いている人

継続的な学習意欲がある人 技術は日進月歩です。新しい知識や技術を継続的に学習できる人が成功します。

安全意識の高い人 電気工事は常に危険と隣り合わせです。安全を最優先に考えられる人でなければ続けられません。

体力に自信がある人 肉体労働の側面があります。ある程度の体力は必要です。

責任感が強い人 配線ミスは火災の原因になります。最後まで責任を持って仕事を完遂できる人が求められます。

成功するための戦略

段階的なステップアップ 第二種電気工事士→第一種電気工事士→関連資格の取得という順序で、着実にステップアップしましょう。

専門分野の確立 住宅、工場、商業施設など、得意分野を確立することで差別化を図りましょう。

人間関係の構築 この業界は横のつながりが重要です。多くの人とのネットワークを築きましょう。

継続的な自己投資 新しい技術や知識の習得に投資を惜しまない姿勢が重要です。

最後に:私からのメッセージ

10年前、プログラマーから電気工事士に転職した時、正直不安でした。全く違う業界で、知識も経験もゼロからのスタートでした。

しかし今振り返ると、この選択は正解だったと確信しています。毎日違う現場で、違う課題に取り組み、技術を習得し、人々の生活を支える仕事に誇りを感じています。

電気工事士は決して楽な仕事ではありません。体力的にきつく、危険も伴います。しかし、それ以上に大きなやりがいと成長の機会がある仕事です。

「手に職をつけたい」「安定した仕事に就きたい」「社会に貢献したい」

そんな思いを持っている方には、電気工事士は素晴らしい選択肢だと思います。

この記事が、電気工事士を目指すあなたの背中を押すきっかけになれば幸いです。一緒に電気工事業界を盛り上げていきましょう。

電気工事士として成功するために、今日から行動を始めてください。


この記事は2025年8月時点の情報をもとに作成しています。試験制度や法令は変更される可能性があるため、最新情報は一般財団法人電気技術者試験センターの公式サイトで確認してください。

参考リンク(ノーフォロー)

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